超高層マンション建設反対!安易な名古屋市都市計画・税金使途に問う

名古屋都市計画第一種市街地再開発事業の決定案についての意見書

地区計画の決定における理由書において、都市の将来像における位置付けとして、「名古屋市都市計画マスタープラン」において都市空間将来構想の「都心域」に位置し、「老朽化した建物の立替や再開発において土地利用の高度化と機能更新を適正に誘導し、商業・業務、サービスなどさまざまな機能により一層集積し、都心機能の強化に努めます。また、土地の高度利用、機能の複合化などにより、利便性を生かした都心居住を促進し、定住人口の確保に努めます」としており、その位置付けから今回の市街地再開発事業の決定をするとのことですが、以下のとおり質問及び意見を述べますので、質問に対して各々に明確な回答、ならびに計画の中止・変更をしていただきたくお願いいたします。


1.上記理由書において、「都心部における居住を促進し、定住人口の確保に務めます」とありますが、「都心域」における定量的な住宅の確保計画数及び定住人口の確保の具体的な規模等について名古屋市はどのような計画をお持ちなのでしょうか?お示し下さい。

2.全国の人口動向も、今後減少すると言われている中で、名古屋市においてもその傾向は変わらないと思われます。その事実を踏まえた計画見直しが必要ではないのですか。

3.今回事業の住宅建設目標として200戸が計画されておりますが、その数値は妥当とお考えですか。また、既にこの地域の中に存在する高度利用された既存共同住宅もありますが、この数も含めた場合についてもお答え願います。

4. 地区計画の目標に「魅力あるまちなみを備えた安全で活気ある町並みを目指し」とありますが、そもそも、地区計画とは、住みよいまちにするための住む人の為の制度、ならば、そこに住んでいる全住民に話をし、町の調和を図るべきで、僅か1.5ha程しかないワンブロックの地区の中の一部を何の話しも無く、勝手に除き、コの字のような形に地区計画を指定すべきものではないと考えます。
地区の真ん中に、建築物等の用途の制限にある、風俗営業等、工場を建てても良い地区を残すことは、地区計画の目標に合致しないと考えますので、この地区の住民意見も反映した地区計画に変更、中止をすべきです。
これでは、将来、とても活気ある街並みになることは想像できないことから地区計画の決定の取り止め・見直しを求めます。

5. この再開発事業は、今まで何十年もの長い間,このまちを愛し、いたわい助け合いながら暮らしてきた住民を助けるどころか、隣人の間に、いざかい,探り合い、そして計算しあう間柄にしてしまいました。
同じ町内に居ながら、僅か4m先に立てるというのに説明が無く、こちらから問い合わせをすれば、既に高度利用をしている土地は除外したとは信じられないこと。
その上、税金まで補助し、老朽化の進む小規模木造建物の防災救済のようなことが書かれております。それも大切なことと思いますが、それにより被害をこうむる者への配慮が余りにも欠けております。自努力で頑張り生計をなしているものを見殺しにするような計画には断固反対いたします。
人の為にある町作り、今まで住んでいた人が、どんな町にしていきたいかを皆で良く話し合い、100年200年先を視野に入れ、子供たちに付けを残すことが無いよう、又、人の為の都市計画をすべきです。

6.名古屋市においては、東海地震等に対する建物の耐震診断等において補助金を出され、より安全な街づくりを推進していると報道されていますが、この地区において今まで何故このような老朽化した建物が存在し放置されていたのか、その理由を明確お答え下さい。
特に、この地区は、宗教法人真宗大谷派東別院の顔ともなる場所で、ほとんどの土地がそのお寺さんの所有であり、お寺さんから借地人が長い間、建替えの許可が得られず、古い家で不自由に暮らして、今日に至っていると聞いていますが、このような個人の安全な生活を脅かすような土地所有者の対応に対して行政としての指導は出来なかったのか。指導の徹底を図れば、もっと早く生き生きとした街づくりが出来たと考えるが如何でしょうか? 

7.地区計画の土地利用のお方針に区域を3種類に区分とありますが、僅か約1.5haのワンブロックを何がゆえに3種類に区分する必要がありますか?
南、中、北地区に分け、南地区から計画的に開発していくとありますが、まず南に30Fを建てるとは、何と安易な計画、何処の家に、南から建て、後ろを日陰にし、そこに、名古屋都市計画地区計画にあります「中地区は周辺と調和した魅力ある路面型商業地を形成する。」。「壁面の位置の制限、道路境界線より1.5m 以上ひかえる」が、0.2haに出来るとは考えられません。
揚句に、ここに来て、東別院が立替許可を出したといいます。どのようにしたら、周辺と調和した魅力ある路面型商業地を形成できると言うのでしょう、緑豊かで良好な都市環境の形成を図るなどと書かれておりますが、到底出来るとは考えられません。どのようにされるのか具体的に回答下さい。

8.また北地区の方々の家が一番老朽化しており、はたまた、それは東別院の借地借家、そして駐車場が有りで、立ち退いていただくにしても南地区のように莫大な立ち退き料も掛からず、周辺の同意を得やすいところを後にまわすという事は、最初から、この地区全体を考えた計画とは到底考えられません。
住民の為、計画的とは、言葉ばかりで、地下鉄に近い利益の取れるところを取りあえずの計画では納得できません。30階が及ぼす、日影風害等から、この計画の変更、中止を求めます。

9.南地区の事業は、第1種事業として実施されるとのことですが、南地区の住民の方や近隣住民からも計画に反対の意見があると聞いていますが、このような状況ではこの事業を認めることは出来ないと考えます。反対意見のあるなかで、それでも進めることが名古屋市にとって住民本位の行政と言えるのでしょうか。名古屋市として今回の事業を第1種事業として認定した根拠と数億円の補助金の交付を予算案に盛り込んでいるがその予算の妥当性について情報公開し、ご説明下さい。

10.今回の事業計画では、南地区のみの開発となっておりますが 中地区、北地区の開発については具体的な計画が示されていない中で、南地区の再開発事業についてのみ先行実施され、中・北地区の住民への方々への十分な説明も無いまま都計審で議論をされることは、地区計画の理念に反すると考えますが当局の見解を示していただくと共に事業主体に対しても説明会の開催等説明責任を果たすよう指導下さい。
地元住民の理解を得た上で審議会に図るべきです。

11.南地区の事業概要案においては、30階建て(約100m)の住宅と240台の駐車場を確保するとありますが、日照、風害、眺望、電波障害、騒音、振動、排気ガス等の環境保全の観点からみてもこの計画は周辺住民生活への影響は多大であり、これらの問題は法的要件を満足していれば良いというものではなく、周辺住民の権利である安全で安心して生活する権利を侵すこととなる。特に、200戸の住宅確保を前提に考えた場合、敷地面積(0.8ha)から見ても、12、3階の高さで十分であり、それを何故30階などという超高層の計画にする必要あるのか、また、駐車場にしてもこのように地下鉄に近く交通に便利な場所で全戸数分を確保する必要は無いと考えます。市の条例では3/10以上確保すればよいのに12/10確保することは過大な計画といわざるを得ないし、地球温暖化防止の流れに反する計画といわざるを得ないことから開発計画の中止・変更を求めます。

12.再開発の必要性について、良好な都市景観の形成を図るとされておりますが、30階が良好な景観とは考えられません。
超高層の高さ規制が無いことすらおかしいことに気づくべきです。
超高層マンションを作ることの出来る建設会社、購入できるお金持ちが独占的に享受し、我々の光さえ奪おうとしている現状、本来、都市空間は公共財。環境にかかわる利益が犠牲になると言うことは都市計画が、目先のみにしか向いていない政策の貧困さを現すものと考えております。この度も、一部のお金持ちの為に税金を補助する制度に、同じ税金を払っているものとして適切な補助額とは思えませんので、ご回答下さい。
ヨーロッパ、特にドイツでは何年も前から高さ規制をし、環境も考えて国を作っております。今でもですが、きっと先には、はっきりとした違いが出てくると思います。国民、市民に優しく、その上、他の国からの集客もできます方針に早く切り替えなければ、大きな大きな付けが回ってくると確信しております。目先の経済ばかりにとらわれず、人の為の街づくりにしていくべきと思います。

以上

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